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コツコツ

デザインやプログラミングについて学べる8bitspell.comの運営者のブログです。IT以外のことでも、思ったことをつらつらと書いていきます。

【書籍】「強いチームはオフィスを捨てる」リモートワークのメリット・デメリットについて書かれた一冊

BOOK

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初めて投稿する【書籍】記事です。 この書籍シリーズでは最近僕が読んで良かったと思う本を紹介していきたいと思います。

記念すべき第一回目は『強いチームはオフィスを捨てる』です。

僕が感銘を受けた『小さなチーム、大きな仕事』を執筆した37SIGNALSの新作

みなさんは37signalsという会社をご存知ですか?社名を聞いてもピンと来ない人の方が多いかと思います。 では、Ruby on Rails というフレームワークはご存知ですか?もしかすると、このブログの読者の方にとってはこちらの方がピンとくるかもしれません。 実はRailsというフレームワークは37signlasによって作られました。 現在は社名をbasecampに変えられており、このbasecampという名前もbasecampが提供しているプロジェクト管理用のウェブサービスから来ています。 多くの気付きと深い感銘を受けたジェイソンさんによって執筆された前作『小さなチーム、大きな仕事』にはbasecamp社のモノづくりに対する考え方やアプローチについて素晴らしい挿絵と分かりやすい言葉で書かれています。一般的な考え方とは違って、ときに過激に感じる内容もあると思います。 それでも、どの内容も実直にモノづくりをしてきた人だからこそ書ける内容であり真理をついている部分が多いです。 僕はこの本から多くの刺激を受けて、その後のモノづくりの考えたががらっと変わりました。個人、小さなチームで開発されている方にはオススメの一冊です。

そんなジェイソンさんの新作が今回紹介する『強いチームはオフィスを捨てる』です。 モノづくりの考えたやアプローチについて解説している前作とは異なり、今作ではチームでの働き方について焦点をおいています。

新しい働き方がもうそこにやってきている

僕もこの本を読むまでは「リモートワークって知っているけど、周りにやっている人は殆どいないし自分には縁のない話」だと決めつけていました。はなから自分には出来っこないと思っている人達に向けて、ジェイソンさんは自らの体験をもとにリモートワークのメリット・デメリットを教えてくれています。この本を読んで感銘を受けた部分を抜粋していきたいと思います。

働けるうちは仕事に専念し、リタイアしてから好きなことをやるという考え方は、もう捨てよう。 これからは仕事も趣味も、同時に楽しめる時代だ。「仕事さえなければ」という思い込みから自由になれば、人生はもっと生きやすくなる。宝くじにあたるのを待つより、そのほうがずっと現実的だ。

(略)

といっても別に、スキーがやりたければ家を引き払って雪国に引っ越せといっているわけではない。もっと簡単なところからはじめればいい。 たとえば、3週間だけ雪国にステイしてみるのはどうだろう? すべてを捨てる必要はない。柔軟にやっていけばいいのだ。

これからは、場所と時間を自由に選べることが本当のぜいたくになる。 いちどそんな自由を経験したら、最上階のオフィスや豪華な社食なんかこれっぽっちの魅力も感じないはずだ。

ライフスタイルを変えるときには退路を断つような気持ちで臨む必要はありません。 たとえば、リモートワークをしたいのなら週1で1日2、3時間から始めてみればいいと思います。 朝10時に出勤する必要があるのなら、自宅で12時まで作業してそれからオフィスに向かう形でもいいのです。 小さく柔軟に始めることで、周りにも自分にも負担をかけずライフスタイルをシフトすることができます。

本を読んだ中で一番印象に残った言葉が『これからは、場所と時間を自由に選べることが本当のぜいたくになる。』という言葉です。 まさにこの言葉通りで、一度でもリモートワークを経験すると豪華なオフィスや社食といった物資的なもので得られるものになんの魅力も感じなくなってしまいます。


「会社と社員の両方にメリットがある」なんていうと、虫がよすぎるように聞こえるかもしれない。ただの夢物語だと思うかもしれない。 でもリモートワークなら、本当に、会社も社員もハッピーになれるのだ。

(略)

リモートワークに向いた仕事のほとんどは、管理者と労働者の対立からは自由なところにある。昔ながらの工場の単純作業なら、1分1秒見張って生産性を上げさせるというやりかたもありだったかもしれない。 でも文章を書いたり、プログラミングやデザインをしたり、広告を考えたり、顧客をサポートしたりーそういう仕事の生産性は、もっとずっと複雑なものだ。 コピーライターの1時間あたりの生産ワード数を増やすことにこだわったところで、誰の得にもならない。 それよりも、最高にグッとくるコピーをひとつ生みだしてくれたほうがいい。そのほうが、みんな豊かになれる。

僕は仕事でプログラミングやデザインをすることが多いのですが、これらの仕事の生産性は時間に比例しないことがよくあります。 例えば、プログラミング中にバグを発見して何時間もかけて悩んでいたものが、数分の休憩をとったあとに「あっ、これってこうじゃない」といった感じであっという間に解決できてしまうことがよくあります。開発中にゾーンに入ると、普段の作業時間の半分くらいのスピードで実装が完了することもあります。デザインの場合はもっと顕著に現れます。いいデザインをあっという間に思いつくこともあれば、時間をかけても中々思いつかないことだってあります。

時間がかかっても最終的にいいプロダクトが出来てみんながハッピーになれればそれで良いと思います。


そして、いったんリモートワークに慣れてしまえば、距離のことなんてまったく関係なくなる。みんなが実際にどこにいるかなんて、すぐに忘れてしまう。いつもはロシアにいる人が、タイで働いていても気にならない。仕事をするうえでは、何のちがいもないからだ。

世界に目を向ければ、すばらし人材を獲得できるチャンスは格段に広がる。それに、外国で商品を売るときの強みにもなる。外国の細かな習慣を知っておいたほうが有利だからだ。たとえばソフトウェア開発でいえば、カレンダーは何曜日からはじまるのか。日曜日に固定してしまうと、月曜日からはじまる国で売れなくなる。カレンダーのアプリをつくるとき、そういうことに気づく人がいてくれると心強い。

僕もリモートワークを始めてから気がついたことがあります。 それは、パソコンとネット環境さえあればどこでも仕事ができるということです。メンバーとのやり取りはSlackで簡単にできるため、他のメンバーが遠く離れたところにいてもまるで隣で一緒に作業している感覚です。また、リモートで作業できるためオフィスから遠く離れた場所で開催されるワークショップがある場合は、予めその近くで作業することで移動時間も短縮することができます。

世界中で働くことができるということは、世界中の人材と一緒に働くことができるということでもあります。 この本でも紹介されているように、それぞれの国によって好まれる色やデザインというものがあります。世界中の人に使って欲しいサービスがあるのなら、特定の人種だけで開発を行うとUIやデザインが偏ってしまうことがよくあります。世界中の人と働くことで、様々な視点を持てるためよりよりプロダクトの開発が出来るのではないかと思います。


リモートワークについての報道を見ると、怠けて働かなくなるというイメージが一般的なようだ。でも、リモートワークの本当の危険は、働かないことではない。 働きすぎてしまうことだ。

従来のオフィス勤務の場合、多少の残業はあっても、最終的には家に帰らなくてはならないという区切りがあった。ところがリモートワークには、そういう明確な区切りがない。

(略)

人は油断すると、仕事にハマってしまう。

リモートワークでもっとも勘違いされてしまうのが、この「サボって仕事しなくなるんじゃないか」という点です。 リモートワークを経験して、これが間違いであるということを実感しました。僕もリモートワークを始めた当初はバグとりや実装に夢中になってしまい働きすぎてしまうことがありました。自宅で作業している場合には帰宅する必要もないので、なにか良いアイディアを思いつたりでバグを見つけてしまったりすると、際限なく作業してしまうのです。


この働き過ぎを防ぐ一つの方法として次のようなものが紹介されています。

働きすぎをふせぐためには、チーム全員でお互いに目を光らせておくことだ。そして何より、チームをまとめるリーダーや経営者が「働きすぎはよくない」というムードをつくっていく必要がある。リーダーが残業好きだと、部下もそれに引きずられてしまう。

(略)

働かないチームはいらないが、仕事ひとすじのチームも困りものだ。うまく息抜きできる人のほうが、長く安定して成果をだしやすい。

リーダーや経営者がこのようなムードを作ることで、「上司が残っているから帰りにくい」といった雰囲気を打ち消すことができます。 定時に帰ることで、仕事とプライベートの切り分けがしっかりできます。自由に使える時間を自分の趣味や勉強にあてることで、仕事に役立つようなアイディアが浮かんでくることもあるでしょう。


リモートで働くメリットのひとつは、自由に環境を変えられることだ。 といっても別に、遠い外国に行くということではない。もっと気軽に、場所を変えるということだ。 家で仕事をしたり、近所のカフェで仕事をしたり、たまには別のカフェで仕事をしたり、図書館に行ってみたり。ひとつの場所にとどまる必要はどこにもない。

決まりきったことの繰り返しは、クリエイティビティを弱らせる。 同じ時間におきて、同じ電車に乗り、同じ道を歩いて、同じオフィスの同じ机に座る。毎日毎日その繰り返しでは、発想まで凝り固まってしまう。

でも、環境を変えれば新しいアイディアがどんどん浮かんでくる。

(略)

リモートで働くということは、家をオフィスにすることではない。キッチンが会社のデスク代わりになるのでは、意味がない。 それよりも、場所の自由を生かして、もっといろんな環境にふれてみよう。多様なものをみて、多様な空気を感じよう。

毎日同じ場所に通う生活よりも、ずっと発想の幅が広がるはずだ。

僕もリモートワークで働くようになってから、自宅やコワーキングスペース、カフェなどで作業するようになりました。 固定の場所で働くことはあまりなく、日替わりで毎日違う場所で作業しています。移動手段も電車を使ったり、天気が良い日には歩いてみたりと様々

場所やルートを変えることで、目に入ってくる景色や、周囲の会話などの色々な情報を吸収することができます。 これらが新しいアイディアを浮かぶことに繋がっていると実感しています。

リモートワークを経験してわかったこと

今から約3ヵ月前にこの本に出会い、実際にリモートワークを始めてみると本の内容に深く共感する点が多くありました。

実際に仕事とプライベートの切替ができるようになり、プライベートが充実してきました。自由に使える時間で個人的に始めたいことに挑戦したことで、それで身につけたスキルや経験が仕事の方に役立つことが実際にありました。さらには、色々な環境に触れることで発想の幅が広がりました。

また、この本でも述べられていることなのですが、リモート作業により会社の人と実際に面と向かって話す機会が減ってしまいました。一見すると悪いように思えますが、逆に会える機会が少ないからこそメンバーと実際に会える時間がとても貴重な時間となりました。オフィスで作業している時には、他のメンバーにも積極的に声をかけて以前よりも話す機会が多くなりました。

ネットとウェブテクノロジーの発展により、働くのに場所や時間を選ばない環境が僕らの周りにもう揃っています。 あなたの会社でリモートワークをしている人が1人もいないのなら、あなたの方から上司に提案してみてはいかがでしょうか? いきなり、業務の全てをリモートワークに置き換えるのは難しいとは思うので、10%でも5%でもいいと思います。小さなところから始めることで、周りの理解も得られるのではないかと思います。

もし、あなたがリモートワークを経験したらオフィスで毎日働くことに不満を感じてしまうと思います。それほど、リモートワークは強烈なインパクトを持っています。 少しでもリモートワークに興味をお持ちなら、『強いチームはオフィスを捨てる』を強くオススメします。新しい働き方に興味があるあなたの背中をそっと教えてくれる一冊です。